前回は呼吸について長々とお話しましたがいかがでしたか?
ヨガをはじめた頃、まず戸惑うのが呼吸かもしれませんね。すこしずつ、ゆっくりと慣れていけば大丈夫です。
ヨガに慣れてくると、いろいろなスタジオや教室に出かけてみたくなるかもしれません。
多数のクラスがあるスタジオでは、クラススケジュールというものがあります。
「リラックスヨガ」
「パワーヨガ」
「はじめてのヨガ」
「アシュタンガヨガ」
こんな文字が時間とともにスケジュールに並んでいます。
わかったような、わからないような・・・〇〇ヨガという表示。
ヨガっていろんな種類=流派 があるのでしょうか?
●ヨガの流派とは
厳密にいうと、ヨガにはお茶やお花のような流派があります。
ただし、流派の縛りはゆるく、また、どこかに属さなければいけないわけではありません。現にわたしは、「アシュタンガヨガ」と「シヴァナンダヨガ」の流派のヨガを行っています。もちろん、どこにも属さず、好きにヨガを行っても大丈夫です。このへんはいかにも自由なヨガっぽいですよね。
ヨガのポーズや呼吸法は多くあり、各流派では「ポーズの順番」「練習を行う呼吸法」「ポーズの進め方」に違いがあるのみです。ポーズや呼吸法自体はどの流派でも変わりなく、これらをどう取り入れていくか、という違いが「流派」として認識されています。
ここでは、世界的に大きな流派をいくつか挙げたいと思います。
・アイアンガーヨガ
B・K・Sアイアンガー師が開発したヨガで、ブロックやベルト等の補助的な道具を使いながら、一つ一つのポーズの完成度を高めていくヨガ。アイアンガー師はクリシュナマチャリア師※1の弟子。
・アシュタンガヨガ
パタビ・ジョイス師が指導する世界的に有名なヨガ。ポーズ、呼吸の順番が決められていて、途切れることなく決まったポーズをしていくのが特徴。パタビジョイス師はクリシュナマチャリア師※1の弟子。
・シヴァナンダヨガ
西洋医学の医師だったシヴァナンダ師の解釈により、古代からあるヨガを科学的ににまとめ直した、世界的に普及しているスタイル。疲労回復に効果がある。
・アヌサラヨガ
アイアンガー・ヨガをベースに、アメリカのジョン・フレンド氏が現代的にアレンジしたもので、N.Yでブームになっているヨガ。解剖学的な観点に基づき、体に負担をかけることなく行うことができる。
・イシュタヨガ
アラン・フィンガー氏によって創始された、個人それぞれの、体質、体型を尊重していくヨガ。解剖学的な視点で個人の体に合わせたポーズ指導を行う。
すごーく噛み砕いて言うと、
『代表となる指導者がいて、
このヨガはこんな考え方でこんな風に(ルールや規則で)練習しています、
と広く伝えられている』
ものは流派といえると思います。
あれ?ホットヨガは?リラックスヨガは?
こんなこと思いませんでしたか?いい質問です。
このあたりについてもうすこし見てみましょう。
●リラックスヨガ?パワーヨガ?
では、冒頭にも触れたような、クラススケジュールによく載っている、リラックスヨガやパワーヨガはどうでしょうか?
これらはヨガの流派ではありません。
じゃあ、何なんだというと、
『クラスの紹介』
にあたります。
リラックスヨガであれば、
リラックスしやすいポーズ(だいたいゆっくりしたやさしい座るポーズが中心)を主にこのクラスでは行いますよー
という
『クラスの紹介』
に近いものなのです。
パワーヨガは、名の通りパワフルで、心身ともにパワーで満ちてくるような、大きな動きで運動量が多いクラスのことを指します。
わたしはカルチャーセンターで「のんびりヨガ」というクラスを持っていますが、これも名の通り、のんびりゆっくりできるようにポーズやクラス構成をわたしが独自につくりました、というものです。
つまり、リラックスヨガやパワーヨガ、のんびりヨガ、というクラスは、先生やスタジオによって内容が異なります。
のんびりヨガ、という流派なんてあったら楽しそうですけどね(*´ω`*)
多くのヨガスタジオでは、これらの
『クラス紹介』
『ヨガの流派』
が同じように並んでいるので、混同しやすいですね。
わかりやすい見分け方の例として、こんなものはどうでしょうか?
本屋さんでヨガの本が欲しいな、と思った時、
流派の本(例えばアシュタンガヨガ)ならば、どの本でもほぼ同じことが書いてあります。流派なので(教典がまとめられているから)、当たり前ですよね。
でも、リラックスヨガの本は、ひとつとして同じことは書いてありません。リラックスについての考え方は先生人それぞれなので、本の内容は違いますよね。
これは、ヨガスタジオでも同じことが言えます。
アシュタンガヨガはどのスタジオでも同じ、
リラックスヨガはスタジオや先生によって全然違う。
これが流派と、そうでないものの違いです。
でもはじめたばかりだとよく分からなくて当然なので、ぜひ先生に聞いてみてくださいね。
スタジオによっては、初心者向け、とか、運動量の目安が示されていたりするので、参考にしてみるといいと思います。
●ハタヨガって何?
『ハタヨガ』というクラスを設けているスタジオをたまに見かけますね。
わたしも、スタジオに行き慣れてる方から「先生のクラスはハタヨガですか?」と聞かれることがよくあります。
ハタヨガ って何でしょうか。
流派っぽい気がする?
いやークラスの紹介じゃない?
答えは、どっちもどっちです。
ハタヨガとは、わたしの捉え方としては、
『ヨガに関するものすべてがハタヨガ』
呼吸もポーズも、ヨガの本を読むことも、瞑想をすることも、なにもかもすべてです。多くのヨガの教典にもそんな意味合いでハタヨガは書かれています。
また、ハタヨガは流派ではありません。もっというと、流派として紹介した、アシュタンガヨガやシヴァナンダヨガもハタヨガの一部ということになります。
えっ!
じゃあ、スケジュールによくあるハタヨガって何??
当然そう思いますよね!
スタジオによって異なりますが、多くの場合、ベーシックなヨガポーズを行うクラス(ヨガに通い慣れてきた人向け)のことを「ハタヨガクラス」としているようです。なんででしょうね?理由は定かではありません。
とはいえ、これが間違ってるわけではありませんよ。すべてがハタヨガとするならば、ベーシックなポーズをするクラスももちろんハタヨガですよね(^-^)/
ハタヨガについては、話すとすごーく深くなるので、またの機会にお話することにします。
ちなみに、「先生のクラスはハタヨガですか?」
と聞かれた場合は、うん、ハタヨガだよー、とお答えしています。ヨガ歴がすこしありそうな方には、ハタヨガってね…という上述のようなお話をしています。
●ホットヨガは流派?
ここまで読んでいただいた方には、この質問は簡単ですね!
ホットヨガはクラスの紹介ですね。
ホットヨガとは…として教典が纏められているわけではありません。
ホットヨガは部屋の温度や湿度を高くして、行うヨガのクラスのことです。
ポーズも独自のポーズがあるわけではなくて、「お部屋が暑くてしっとりしてる」という点が特質しているところです。
個人的には、身体の安全面から、常温の(暑くない)ヨガをおすすめしたいですね。
●ディワーリヨガは何流?
さて最後に、わたしが行っているディワーリヨガのクラスは何流でしょうか?
察しのいいみなさんでしたら、もうお分かりでしょう。
何流でもありません。どこかの流派のみのクラス構成ではないといったほうがいいかな。前述したように、ヨガは自由な考え方でできているので、流派は特に気にしなくてOKということでしたよね。
クラスによって参加される方が違うので(年齢、性別、生活など)、その方々にできるだけ合っていて、ほどよく体を動かす事ができて、かつみなさんに必要なものを取り入れて毎回構成しています。
より自分に合ったヨガをやりたい!という場合は、個人レッスンを検討してみてくださいね。
なお、淵野辺の夜クラスだけは、冒頭にも出てきた『シヴァナンダヨガ』を毎回行っています。
インド伝統のヨガを体感してみたい方、ぜひいらしてください。
最後に、わたしが足を踏み入れている流派について触れておきましょう。
『シヴァナンダヨガ』
これはわたしをヨガの世界へと向かわせてくれたきっかけのヨガです。
ひととおり取り組んだ(でも道半ばですけどね)ので、今は、自分をリラックスさせたり、疲労を回復させたりするために行っています。キープ時間がすこし長いので、心の面での効果が高いと認識しています。
何回か出てきた『アシュタンガヨガ』
わたしはこのヨガが大変好きで、生涯いち練習生として取り組んでいます。
いかんせん真面目な生徒ではないので、練習の進みがのろいのですが、アシュタンガヨガの世界をもっと深めて楽しみたいと思っています。
非常に運動量が多く(止まっているのはポーズのキープ中のみなのです)風呂上りか!というくらい全身汗まみれになるけれども、呼吸に合わせてどんどん進めていく感覚がとても気持ちがいいです。
こっちは、気分をアッパーにして元気になるためですね。
現在、アシュタンガヨガのレギュラークラスは持っていないので、アシュタンガヨガやりたい!というアシュタンギの方、お声がけください(笑)
一緒にギンギン練習しましょう!
「ヨガっていろんな種類があるよねー」
っていうところから、すこし深く知っていただけましたでしょうか?
どの流派でもヨガには変わりません。
根幹に流れるものはどの流派でも、どのクラスでも変わらないので、ぜに色んなクラスや流派のヨガを受けてみてくださいね。
これダッ!というヨガが見つかるかもしれませんよ。
次回はヨガの座法(座り方)についてお届けします。
画像を用いて解説していきたいと思っています。